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2010.03.13

『レベッカ』の時代とジェレミー

今日は、作品が描かれた時代はどんな時代だったか、感じてみようと思います。
『レベッカ』は1938年に発表された作品です。

1938年とは、第一次世界大戦と第二次世界大戦、2つの大きな戦争に挟まれた約20年間に属する時代です。

この「戦争と戦争の狭間の20年間」という時代は、これまでの古い秩序が崩れ、新しい勢力が力を伸ばした時代。
国際平和が唱えられ、平和を維持するための仕組みが生まれました。しかし、表面上平和そうに見えても実は多くの不満がくすぶり続けていた時代でもありました。

1938年は、そんな不満が大きな力となって膨張し始め、摩擦を生んでいた時期です。戦争の足音がひしひしと迫ってきている時期でした。


『レベッカ』は現実世界の不安と緊張が織り込まれた作品なのだな、と私は感じます。


それまであった権威の崩壊。
押し寄せる先行きの見えぬ不安。
どうしてよいかわからず、逃避したくなるような現実。
一度去った危機が再び海の向こうからやってくる不吉な予感。
けれど、希望を失わなず危機に立ち向かう。

弱々しかった女性が夫の愛を獲得し、強く成長する。そして男女が力を合わせて危機を乗り越えようとするドラマチックな展開は、今読んでも十分面白いけれど、当時の人々の間でベストセラーになったのもわかるような気がします。


ジェレミーは1938年当時5歳だったんですねえ(しみじみ)。

ということで、1938年前後の大きな出来事をウィキペディアで調べ、
そこにジェレミーの子供時代を重ねてみました。

文字だらけで画面が黒っぽくなった…

時代の雰囲気を感じ取っていただけたら、と思い年表なぞ作ってみました。
ざっと調べただけなので細かいところが違っていたらごめんなさい。

ジェレミーの子供時代については、りえさんのブログを参考にさせていただきました。
りえさん、ありがとうございます<(_ _)>ペコリ


●その1:第一次世界大戦
年表1

 第一次世界大戦は、1914年に始まりました。ヨーロッパでは数十年ぶりの戦争だったためか、戦争に参加することになった各国の国民は、戦争にロマンチックな幻想を抱き、大熱狂でそれを歓迎しました。そして、愛する祖国を守ろうと多くの若者が軍隊に志願しました。

この戦争は当初、すぐに決着がつくだろうと言われていました。絵画や物語のように、大きな会戦が起こって劇的に展開し『クリスマスまでには戦争が終わる』と楽観視されていました。

 しかし、戦争は長期化。膨大な犠牲者を生み出し、予想もしなかった結果をもって終了しました。消滅した国家があり、新しく誕生した国家があり。ヨーロッパの地図は激変したのでした。
 そして莫大な戦費が費やされ、多くの若者が犠牲となったため、戦勝国は敗戦国に報復的で過酷な賠償を要求することになりました。


 第一次世界大戦によってこれまでの古い体制が完全に崩壊し、新しい秩序(夢はあるけど古い体制から見ればなんだかよくわからないもの)が生まれました。世界中に植民地を持ち、18世紀~19世紀にかけて超大国として栄華を極めたイギリスも20世紀では風向きが変わります。イギリスにとっても安定した時代から先行き不透明な時代になりました。


このころのジェレミー関連情報
ジェレミーのお父さん、ヘンリー・ウィリアム・ビル・ハギンズは軍人として戦争に行っていました。JBfather.jpg




●その2:ヴェルサイユ体制と世界恐慌
年表2

 第一次世界大戦のあまりにも大きな犠牲。反省と厭戦感から国際平和を保つ努力がなされました。
ヴェルサイユ講和条約が結ばれ、国際連盟が発足しました。しかし土台が帝国主義と過酷な報復的賠償では解決には程遠く、結果的に憎しみが憎しみを生むことになってしまいます。国際連盟は加盟国が少なく、あまり機能しませんでした。
 
 ソビエトの成立、共産主義の高まり、民族自決の気運などの新しい風が吹き荒れる第一次世界大戦後まもなくの時期に生まれたファシズムは、その勢力をしだいに広げていきました。(イギリスは、共産主義の蔓延に対抗する楔としてイタリアのムッソリーニを支援。1926年にはイタリアでファシスト党一党独裁体制が確立します)。アドルフ・ヒトラーが「ドイツ労働者党」(のちの「国家社会主義ドイツ労働者党」、いわゆる「ナチス」)に入党したのもこの頃です。

 一方で、アジアの覇権はイギリスからアメリカへ移ります。1920年代、第一次世界大戦以降の好景気が続くアメリカは経済が空前の大繁栄をとげ、イギリスに変わりアメリカが世界経済の中心になります。

 イギリス国内ではアイルランドの独立、労働党躍進、男女平等選挙権など、次々と変化の波が起こります。


 この頃の日本について。
 第一次世界大戦中は好景気に沸きましたが、戦後欧州の製品がアジアに戻ってくると戦後恐慌が発生。1923年には関東大震災が契機となって震災恐慌、1927年に昭和金融恐慌、そして1929年には世界恐慌の余波を受け、日本経済は慢性的不況に陥ります。日本は経済危機の活路を満州とアジア南方に求め、アメリカは日本を警戒し始めました。

このころのジェレミー関連情報
参考:IMDB
1920年 ジェレミーのお父さん、軍を離れる。
1923年 ジェレミーのお父さんとお母さん(エリザベス・エディス・キャドバリー)が結婚。3人の子供(ジェレミーのお兄さん:ジョン、マイケル、パトリック)が生まれます。
1929年 ハギンズ一家、バークスウェルのGrangeに引っ越す。
JBmother.jpgGrange.jpg




その3:ファシズム・ナチズムの台頭から第二次世界大戦前夜 『レベッカ』発表
年表3

 世界中に襲い掛かった最大の波、1929年の世界恐慌。この未曾有の経済不況により、イギリスは国力の衰退が決定的になります。もはや広大な植民地を維持する事ができなくなり、ウェストミンスター憲章を制定します。この憲章は自治領にある程度の独立性を付与するものでした。そうしなくては、支配権が確保できなくなっていたのです。

 1930年代、世界恐慌への対策としてイギリスやフランスは自らの経済圏を保護する「ブロック経済体制」を敷きます。アメリカではニューディール政策が打ち出され、この不況を乗り越えようとします。

 しかしこの解決法は広大な植民地市場や豊富な資源を持っているからできることであり、大きな経済ブロックを持てない日本は不況から脱却することが難しく、植民地を持たないドイツやイタリアにいたっては完全に置き去りにされました。ドイツでは、厳しい現状を打破する新しい政治を求める声が高まります。1933年、ドイツではヒトラー内閣が成立、翌年ヒトラーは総統に就任します。


ジェレミーはこのころ産声を上げました。


 国家の危機を“膨張”で乗り切ろうというのが、日独伊共通の志向でした。ナチス・ドイツやファシスト・イタリアは拡大方針を打ち出し、公然と侵略を開始します。イギリス、フランスとナチス・ドイツの関係は一気に緊張状態に。

 ナチス・ドイツに対し、イギリス首相ネヴィル・チェンバレンは宥和政策を取りつづけます。これは第一次大戦の反省から、ヨーロッパ全土を巻き込む戦争の可能性についてイギリス国内で強い拒否反応があったこと、また経済的にもかつての勢いがなかったことなどから取られた政策でしたが、結果的にヴェルサイユ体制の崩壊を招く事になってしまいました。

そして、再び戦争が起こってしまうのです。
戦争の気配がひしひしと迫る時に、発表されたのが『レベッカ』でした。

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『レベッカ』初版本(ウィキペディア英語版より)


このころのジェレミー関連情報
参考:りえさんのブログ
(http://blog.goo.ne.jp/rie_002/e/7b2e85c2a48625ffce0bc9854c6210d4
http://blog.goo.ne.jp/rie_002/e/d9e6223263935353a9b88e2540453a93)

1933年 ジェレミー誕生
1936年頃 ジェレミー、お屋敷の改築工事中のセメントに手形を残す! ロバやポニーに乗り始めたのもこのころでしょうか。
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●その4:第2次世界大戦へ 『レベッカ』映画化

ここはさらっと流します。。

年表4

このころのジェレミー関連情報
参考:りえさんのブログ
(http://blog.goo.ne.jp/rie_002/e/5a8add6b388981d26ed3532f0fb65555
http://blog.goo.ne.jp/rie_002/e/7b4cf6fe64e43ef6dcc2055bbbdb484c)

1939年 ジェレミーのお父さん軍隊へ戻る ローレンス・オリヴィエ出演の映画『嵐が丘』公開
1940年 ドイツ軍によるコヴェントリー空襲 お母さんは避難してきた人々を受け入れ、Grangeは40人以上が同居することに。
1944年 ローレンス・オリヴィエ主演の映画『ヘンリィ5世』公開 ジェレミーはこのころ近所の映画館でオリヴィエに「出会った」んですね~ 
ジェレミーは、かわいらしいおぼっちゃんに成長♪
いたずら好きで、馬を乗りこなし、映画が大好き。演じる楽しさを覚えたのもこのころかしら。
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第二次世界大戦も書きだすとさらに長くなるので、さらっと年表のみにしてしまいました(汗)

********************

『レベッカ』は、こういう時代背景がわかっているとさらに面白く読めると思いました。
とくにこの時代の「悪い方向に進んでいくことが分かっていてそれを止められない」息苦しさややるせなさが、
レベッカに絡めとられて身動きできなくなっていく登場人物の心理状態と同じだと私は感じます。


それにしてもジェレミーの子供時代って大変な時代だったんですね…

ご両親、兄弟、乳母さん、その他たくさんの人たちへ、私は感謝の気持ちを送ります。
みなさんのおかげで大変な時代の中でもジェレミーはすくすくのびやかに育ちました。
私たちがジェレミーからたくさんの夢をもらえたのも、みなさんが見守ってくれたおかげです。

ありがとうございます!

と、お空の星に向かって叫ばずにいられなかった週末でした。






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すごく興味深かったです。2つ質問させてくださいね。 byRM
たちたちさん、こんにちは。歴史がお好きなだけあって、その時代の雰囲気に興味を持っていらっしゃるのですね。私は実は歴史も地理も弱いほうなのですが、すごく興味深く読みました。現実世界の不安と緊張が織り込まれた作品、というたちたちさんの表現、なるほど、と思いました。それで質問なのですが(どこかに書いてあったら申し訳ございません)、作品の発表は1938年ということでしたが、この物語の時代背景も同じく二つの大戦の間と考えられますか?それとも舞台になった時代は少しずれているけれども、当時の現実世界の不安が投影されているような魅力を、読んだ人々は感じたのでしょうか。

それから、「ジェレミーの子供時代って大変な時代だったんですね」とたちたちさんが書いていらっしゃいますが、私もあらためて、ジェレミーは空襲を経験した世代なんだなあ、と思いました。ジェレミーは平和への思いも強かったように思います。1991年のラジオ番組Desert Island Discsで、東西冷戦終結のことにふれて、今の時代は私達の子供の頃よりも平和へと向かっていると信じている、と話しているのをきいたのが私にとっては最初で、そのときは俳優がラジオで世界情勢のことにふれるのは欧米では普通なのかしら、と思いました。それから1989年の雑誌のインタビューで、戦車の前を逃げる子供のことが頭を離れないと言っているのを読みました。そして1992年のホームズの撮影中のある朝、新聞でブッシュとゴルバチョフの会談のニュースを読んで喜びのあまり椅子の上にたち、キャストとクルーに、これで冷戦終結後の新世界秩序が始まって、すべての戦争が終わるだろう、と宣言したことを、雑誌Scarlet Streetでの、The Master Blackmailerに出演したNickolas Graceの追悼文で読みました。Nickolas Graceは、マンチェスターの青い空を背景にホームズの姿で椅子の上にたって、世界平和を宣言するジェレミーの姿を忘れないだろうと書いていました。だからやはりジェレミーの平和への思いは、あの時代の人々の中でも特別強かったように思います。

前の記事の話題にもどりますが、ヒッチコック版「レベッカ」を私は観たことがありませんので、うれしく読みました。そこで質問ですが(質問攻めで申し訳ございません。お時間のあるときに教えてください)、BBC版で、「わたし」が爪をかんでいて、マキシムにたしなめられるところが印象的だったのですが、これは原作やヒッチコック版にもありますか?ヒッチコック版の「わたし」は爪なんてかまなさそうにみえたのですが。

「Deceptions」って、あの「Deceptions」ですね!原作もお読みになっているのですね。紹介してくださるのでしたら、とても楽しみです(と書いても、プレッシャーに感じないでくださいね)。

ああ、長くなってしまいました。おゆるしください。

RMさんへ、お返事です♪ byたちたち
長文を読んでくださりありがとうございます。そして鋭いご指摘ありがとうございます!ご質問ですが、お恥ずかしい事にきちんと考えていなかった部分でした(汗)ので、これ幸いと考えてみました。お返事遅くなって申し訳ありません。

『レベッカ』の時代背景については、明確にいつ、という記述は原作の中にもありません。ですので思いっきり推測&想像になりますが、第一次世界大戦後の1920~1930年代ではないか、と私は思っています。なんとなく思っていたのもそのくらいの時代です。
時代を推測できる要素はいくつかありそうですが、私は以下の2点に着目してみました。

「わたし」の髪型:
「わたし」はまっすぐでショートヘアです。西欧でショートヘアが一般的になったのは第一次世界大戦以後のようです(ウィキペディアより)。

自動車:
原作には乗馬の話題も会話に出てきますので、馬もまだまだ身近な時代のようですが、自動車がたくさん出てきます。
車を運転する描写があるのはマキシムやフランク、ファヴェル。マキシムのお姉さん、ベアトリスも運転する場面があります。作品中の移動手段のほとんどが自動車です。よって、(ある程度の階級に限定されるかもしれませんが)人々の間で自動車が実用的な移動手段として普及していた時代、と推測しました。
また、「わたし」がマキシムの車の「後部座席で仮眠を取る」描写がありますので、最低でも4人乗り、仮眠が取れるくらいだからルーフもあったのではないか、そういう車が作られていた時代だとも思われます。

そこで自動車について調べたところ、第一次世界大戦が自動車の普及に大きくかかわっていたことがわかりました。(「自動車 第一次世界大戦」で検索すると興味深いサイトがたくさんヒットしました。あちこち見たので出典がよくわからなくなってしまいましたが汗、それらのサイトによると)戦争で自動車が使われたことにより、エンジン、車体、タイヤなどの技術革新が進んだようです。また国家の期待に応えるべく、自動車会社も生産力を上げました。自動車産業は1920年代~1930年代には大きく発展し、多様な機構・デザインの自動車が作られるようになったそうです。“金持ちのおもちゃ”だった車が大衆化し普及したのも1920年代~1930年代に重なるのではないかと思います。

それから、原作にはヴァン・ホッパー夫人はモンテ・カルロの滞在中、運転手つきで自動車を借りて使っていたというような描写があります。夫人が借りた自動車は「Daimler」で、それは「流行遅れの四角い」型でした。
ダイムラーは1926年、ベンツと合併してダイムラー・ベンツになったみたいですので、この「Daimler」が作られたのは1920年代の前半で、「流行遅れ」と言われるということは、結構古かったのでは?と思いました。

以上、「わたし」の髪型と自動車から、『レベッカ』の時代背景は1938年より昔で第一次世界大戦後より後の1920~30年代かな~。推測してみましたが、非常に乱暴な妄想ですね・・・(^^;)
『レベッカ』は、「わたし」が(そう遠くない)過去を回想するという形をとって描かれた作品ですので、当時の人々は『レベッカ』を「少し昔が舞台の物語」として、お話の世界に浸るような気持ちで読んだのではないか、と私は勝手に思っています。

調べていたらイギリスの自動車産業の中心はコベントリーだと知りました。自動車産業=工業都市、つまり軍事産業都市でもあったから、コベントリーは第二次世界大戦で何度もドイツ軍に空襲されたのですね。なるほどー

ジェレミーの言葉を教えて下さってありがとうございます!平和について語っているジェレミーを思い浮かべ、言葉をかみしめながら読みました。戦争を体験しての言葉には重みがありますね。ジェレミーの平和についての発言がこうして残っていることは、ジェレミーが常に世界情勢にもアンテナを向けていたということでもありますよね。ジェレミーは、未来に目を向けている人なんだなあと改めて思いました。

ヒッチコック版『レベッカ』の記事を読んで下さったのですね。ありがとうございます♪
「わたし」が爪を噛むのは原作にあり、あちこちに出てきます(^^)爪を噛むシーンはヒッチコック版にもほんの少しですがありますよ(確かに噛むようには見えませんね)。

「Deceptions」、そうですあの「Deceptions」です(笑)超スローペースで読み進めており、まだまだ先になりそうですがそのうち紹介できればと思っております♪

私も長く語ってしまいましたー大汗

"Excellent!" byRM
わあ、たちたちさん、わくわくしながら読みました。まさにホームズの謎解きをきいているワトスンの気持ちです。私は、原作に年代や年号が書いてあったり、第一次世界大戦への言及があるのかもしれない、と思っていたのです。そしたらそういう直接的なことは書いていなくて、何と、そのかわりに髪型と自動車から推理なさったのですね!髪型と自動車について調べようと思いついた、その着眼点がホームズ的です。ジェレミーのホームズが "Excellent!" と行っているのが目に見えるようです。ショートヘアが一般的になった頃、自動車が実用的な移動手段で、仮眠もとれる大きさのものが作られ、そして「Daimler」が流行遅れだった頃。それで1920~30年代と推測できるのですね。そして発表当時の読者にとって、そう遠くない頃の物語だったのですね。

コベントリーはジェレミーの故郷の近くですね。コベントリーの空襲は凄かったようだ、とりえさんも書いていらっしゃいましたが、そういう理由があったのですね。

たちたちさんの連休を奪ってしまったのではないかと心配ですが、たちたちさんはジェレミーのように、物語の背景を調べたり感じたりするのがお好きな方だと思うので、許して下さいね。

本当にジェレミーは視野の広い、物事をきちんと考える人だったのだと思います。世界情勢も含めて。マイケル・コックスが、ジェレミーは広範囲のいろいろなことに興味を持っていた、という意味のことを書いているのを読んだことがあります。その時は私の印象とはちょっと違っていて、意外な気持ちで読んだのですが、ジェレミーのことをいろいろと知った今ならわかる気がします。

ああ、爪を噛むのは原作ではあちこちに、そしてヒッチコック版では少し、出てくるのですね。BBC版では、寄る辺のない身の上の「わたし」が、不安な子供のようなしぐさで爪を噛むのが印象的でした。マキシムの前で、少し甘えるような気持ちもあったのでしょうか。

「Deceptions」のジェレミーは、すごくかっこいいですね! 筋を追えていないところはたくさんあるのですが。逃走シーンの最後、逃げられないとわかって、彼女の目の脇にキスして(チュッと素敵な音をさせて!)、サングラスをかけながら「いい事には必ず終わりがある」と言って車を出て、捕まえに来た警察官に軽く両手をふってみせたりする。かっこいいし全然憎めない悪役ですね!シャーロック・ホームズ、フローレンス・ナイチンゲールの父親、そしてこのブライアンと、これほど違う役をほぼ同時期に、どれも魅力的に演じるところがすごいです。

「レベッカ」の続き、楽しみにしています。またお邪魔します。

わおー、すごい質と量ですね! byりえ
たちたちさん、今回の更新はまた内容が濃いですね!
もう卒論レベルになりつつある、たちたちさんのアップ、いつも勉強させて頂いてます。
今回は、うちのブログのことも書いて頂いて、有難うございます。

なるほど、「レベッカ」が出版されたのは、そんな複雑な時勢だったのですね。
こんなに一つの作品を掘り下げて研究するなんて素敵です。
ジェレミーも、ひとつの作品の演じるのに、色々勉強したそうですから、たちたちさんのようなプロセスで作品を辿って行ったかもしれません(^^)
私も、ジェレミーの出演作品については、ひとつひとつゆっくり考えていきたいなぁと思っていたので、すごく興味深く読ませてもらってます。

ジェレミーの小さい頃は、時代が大変でしたよね。
でも地方にいたので、ロンドンっ子ほどは怖い思いはせずに過ごせて良かったと思います。
ロンドンは空襲もすごかったし、子供は日本のように疎開してました。

ダイムラーは、ジェレミーのおばさんたちが乗っていた車として覚えています。
ロイヤル・ファミリーが使った車としても有名ですが、「レベッカ」にも登場していたんですね!

次回更新も楽しみにしています♪



コメントありがとうございます♪ by-
>RMさん
きゃー わくわくして読んでいただけて私も嬉しいです♪
何を調べたら時代がわかるのかなーと思い、浮かんだのがホームズの時代でした。
ホームズの時代は馬車、電報。『レベッカ』では自動車・電話。ということで「自動車や電話が広まったのはいつ頃か」を調べてみました。電話については、地方に普及した年代がはっきりしなくて断念しました(苦)が、自動車はなんとか調べる事が出来ました(^^;)
それから「ぶな屋敷」のヴァイオレット嬢が髪を切る・切らないで悩んでいたけど、『レベッカ』の「わたし」は最初からショートカットでしたので、髪型についても調べてみました。

私の想像推測も多分に含まれているので、話半分くらいに読んでいただければ幸いです(^^;)


>りえさん
このたびは、りえさんのブログを参考に記事を書かせていただきました。本当にありがとうございました。私は世界史に疎くて、イギリスのことも良く知らなかったのですが、イギリス近代史の知識を少し深めることができました。調べながらジェレミーの子供時代を重ね合わせては感慨に浸りました。
卒論より一生懸命かも知れません(爆)もうこれは、ジェレミー効果です♪

ロンドンの子供たちが疎開をしていたとは知りませんでした。地方に住んでいたジェレミーが空襲の爆音を強烈に覚えている以上に、ロンドンの子供たちは恐ろしく寂しい体験をしてしまったのですね…(;;)
ジェレミーのおばさんが乗っていた車も「ダイムラー」でしたね!わあ、『レベッカ』の世界とジェレミーの子供時代が繋がるなんてますます楽しくなってきました(喜)

亀更新ですがよろしくお願いします(><)

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COMMENT

すごく興味深かったです。2つ質問させてくださいね。
たちたちさん、こんにちは。歴史がお好きなだけあって、その時代の雰囲気に興味を持っていらっしゃるのですね。私は実は歴史も地理も弱いほうなのですが、すごく興味深く読みました。現実世界の不安と緊張が織り込まれた作品、というたちたちさんの表現、なるほど、と思いました。それで質問なのですが(どこかに書いてあったら申し訳ございません)、作品の発表は1938年ということでしたが、この物語の時代背景も同じく二つの大戦の間と考えられますか?それとも舞台になった時代は少しずれているけれども、当時の現実世界の不安が投影されているような魅力を、読んだ人々は感じたのでしょうか。

それから、「ジェレミーの子供時代って大変な時代だったんですね」とたちたちさんが書いていらっしゃいますが、私もあらためて、ジェレミーは空襲を経験した世代なんだなあ、と思いました。ジェレミーは平和への思いも強かったように思います。1991年のラジオ番組Desert Island Discsで、東西冷戦終結のことにふれて、今の時代は私達の子供の頃よりも平和へと向かっていると信じている、と話しているのをきいたのが私にとっては最初で、そのときは俳優がラジオで世界情勢のことにふれるのは欧米では普通なのかしら、と思いました。それから1989年の雑誌のインタビューで、戦車の前を逃げる子供のことが頭を離れないと言っているのを読みました。そして1992年のホームズの撮影中のある朝、新聞でブッシュとゴルバチョフの会談のニュースを読んで喜びのあまり椅子の上にたち、キャストとクルーに、これで冷戦終結後の新世界秩序が始まって、すべての戦争が終わるだろう、と宣言したことを、雑誌Scarlet Streetでの、The Master Blackmailerに出演したNickolas Graceの追悼文で読みました。Nickolas Graceは、マンチェスターの青い空を背景にホームズの姿で椅子の上にたって、世界平和を宣言するジェレミーの姿を忘れないだろうと書いていました。だからやはりジェレミーの平和への思いは、あの時代の人々の中でも特別強かったように思います。

前の記事の話題にもどりますが、ヒッチコック版「レベッカ」を私は観たことがありませんので、うれしく読みました。そこで質問ですが(質問攻めで申し訳ございません。お時間のあるときに教えてください)、BBC版で、「わたし」が爪をかんでいて、マキシムにたしなめられるところが印象的だったのですが、これは原作やヒッチコック版にもありますか?ヒッチコック版の「わたし」は爪なんてかまなさそうにみえたのですが。

「Deceptions」って、あの「Deceptions」ですね!原作もお読みになっているのですね。紹介してくださるのでしたら、とても楽しみです(と書いても、プレッシャーに感じないでくださいね)。

ああ、長くなってしまいました。おゆるしください。
2010.03.17 | URL | RM # [ 編集 ]
RMさんへ、お返事です♪
長文を読んでくださりありがとうございます。そして鋭いご指摘ありがとうございます!ご質問ですが、お恥ずかしい事にきちんと考えていなかった部分でした(汗)ので、これ幸いと考えてみました。お返事遅くなって申し訳ありません。

『レベッカ』の時代背景については、明確にいつ、という記述は原作の中にもありません。ですので思いっきり推測&想像になりますが、第一次世界大戦後の1920~1930年代ではないか、と私は思っています。なんとなく思っていたのもそのくらいの時代です。
時代を推測できる要素はいくつかありそうですが、私は以下の2点に着目してみました。

「わたし」の髪型:
「わたし」はまっすぐでショートヘアです。西欧でショートヘアが一般的になったのは第一次世界大戦以後のようです(ウィキペディアより)。

自動車:
原作には乗馬の話題も会話に出てきますので、馬もまだまだ身近な時代のようですが、自動車がたくさん出てきます。
車を運転する描写があるのはマキシムやフランク、ファヴェル。マキシムのお姉さん、ベアトリスも運転する場面があります。作品中の移動手段のほとんどが自動車です。よって、(ある程度の階級に限定されるかもしれませんが)人々の間で自動車が実用的な移動手段として普及していた時代、と推測しました。
また、「わたし」がマキシムの車の「後部座席で仮眠を取る」描写がありますので、最低でも4人乗り、仮眠が取れるくらいだからルーフもあったのではないか、そういう車が作られていた時代だとも思われます。

そこで自動車について調べたところ、第一次世界大戦が自動車の普及に大きくかかわっていたことがわかりました。(「自動車 第一次世界大戦」で検索すると興味深いサイトがたくさんヒットしました。あちこち見たので出典がよくわからなくなってしまいましたが汗、それらのサイトによると)戦争で自動車が使われたことにより、エンジン、車体、タイヤなどの技術革新が進んだようです。また国家の期待に応えるべく、自動車会社も生産力を上げました。自動車産業は1920年代~1930年代には大きく発展し、多様な機構・デザインの自動車が作られるようになったそうです。“金持ちのおもちゃ”だった車が大衆化し普及したのも1920年代~1930年代に重なるのではないかと思います。

それから、原作にはヴァン・ホッパー夫人はモンテ・カルロの滞在中、運転手つきで自動車を借りて使っていたというような描写があります。夫人が借りた自動車は「Daimler」で、それは「流行遅れの四角い」型でした。
ダイムラーは1926年、ベンツと合併してダイムラー・ベンツになったみたいですので、この「Daimler」が作られたのは1920年代の前半で、「流行遅れ」と言われるということは、結構古かったのでは?と思いました。

以上、「わたし」の髪型と自動車から、『レベッカ』の時代背景は1938年より昔で第一次世界大戦後より後の1920~30年代かな~。推測してみましたが、非常に乱暴な妄想ですね・・・(^^;)
『レベッカ』は、「わたし」が(そう遠くない)過去を回想するという形をとって描かれた作品ですので、当時の人々は『レベッカ』を「少し昔が舞台の物語」として、お話の世界に浸るような気持ちで読んだのではないか、と私は勝手に思っています。

調べていたらイギリスの自動車産業の中心はコベントリーだと知りました。自動車産業=工業都市、つまり軍事産業都市でもあったから、コベントリーは第二次世界大戦で何度もドイツ軍に空襲されたのですね。なるほどー

ジェレミーの言葉を教えて下さってありがとうございます!平和について語っているジェレミーを思い浮かべ、言葉をかみしめながら読みました。戦争を体験しての言葉には重みがありますね。ジェレミーの平和についての発言がこうして残っていることは、ジェレミーが常に世界情勢にもアンテナを向けていたということでもありますよね。ジェレミーは、未来に目を向けている人なんだなあと改めて思いました。

ヒッチコック版『レベッカ』の記事を読んで下さったのですね。ありがとうございます♪
「わたし」が爪を噛むのは原作にあり、あちこちに出てきます(^^)爪を噛むシーンはヒッチコック版にもほんの少しですがありますよ(確かに噛むようには見えませんね)。

「Deceptions」、そうですあの「Deceptions」です(笑)超スローペースで読み進めており、まだまだ先になりそうですがそのうち紹介できればと思っております♪

私も長く語ってしまいましたー大汗
2010.03.22 | URL | たちたち # [ 編集 ]
"Excellent!"
わあ、たちたちさん、わくわくしながら読みました。まさにホームズの謎解きをきいているワトスンの気持ちです。私は、原作に年代や年号が書いてあったり、第一次世界大戦への言及があるのかもしれない、と思っていたのです。そしたらそういう直接的なことは書いていなくて、何と、そのかわりに髪型と自動車から推理なさったのですね!髪型と自動車について調べようと思いついた、その着眼点がホームズ的です。ジェレミーのホームズが "Excellent!" と行っているのが目に見えるようです。ショートヘアが一般的になった頃、自動車が実用的な移動手段で、仮眠もとれる大きさのものが作られ、そして「Daimler」が流行遅れだった頃。それで1920~30年代と推測できるのですね。そして発表当時の読者にとって、そう遠くない頃の物語だったのですね。

コベントリーはジェレミーの故郷の近くですね。コベントリーの空襲は凄かったようだ、とりえさんも書いていらっしゃいましたが、そういう理由があったのですね。

たちたちさんの連休を奪ってしまったのではないかと心配ですが、たちたちさんはジェレミーのように、物語の背景を調べたり感じたりするのがお好きな方だと思うので、許して下さいね。

本当にジェレミーは視野の広い、物事をきちんと考える人だったのだと思います。世界情勢も含めて。マイケル・コックスが、ジェレミーは広範囲のいろいろなことに興味を持っていた、という意味のことを書いているのを読んだことがあります。その時は私の印象とはちょっと違っていて、意外な気持ちで読んだのですが、ジェレミーのことをいろいろと知った今ならわかる気がします。

ああ、爪を噛むのは原作ではあちこちに、そしてヒッチコック版では少し、出てくるのですね。BBC版では、寄る辺のない身の上の「わたし」が、不安な子供のようなしぐさで爪を噛むのが印象的でした。マキシムの前で、少し甘えるような気持ちもあったのでしょうか。

「Deceptions」のジェレミーは、すごくかっこいいですね! 筋を追えていないところはたくさんあるのですが。逃走シーンの最後、逃げられないとわかって、彼女の目の脇にキスして(チュッと素敵な音をさせて!)、サングラスをかけながら「いい事には必ず終わりがある」と言って車を出て、捕まえに来た警察官に軽く両手をふってみせたりする。かっこいいし全然憎めない悪役ですね!シャーロック・ホームズ、フローレンス・ナイチンゲールの父親、そしてこのブライアンと、これほど違う役をほぼ同時期に、どれも魅力的に演じるところがすごいです。

「レベッカ」の続き、楽しみにしています。またお邪魔します。
2010.03.25 | URL | RM # [ 編集 ]
わおー、すごい質と量ですね!
たちたちさん、今回の更新はまた内容が濃いですね!
もう卒論レベルになりつつある、たちたちさんのアップ、いつも勉強させて頂いてます。
今回は、うちのブログのことも書いて頂いて、有難うございます。

なるほど、「レベッカ」が出版されたのは、そんな複雑な時勢だったのですね。
こんなに一つの作品を掘り下げて研究するなんて素敵です。
ジェレミーも、ひとつの作品の演じるのに、色々勉強したそうですから、たちたちさんのようなプロセスで作品を辿って行ったかもしれません(^^)
私も、ジェレミーの出演作品については、ひとつひとつゆっくり考えていきたいなぁと思っていたので、すごく興味深く読ませてもらってます。

ジェレミーの小さい頃は、時代が大変でしたよね。
でも地方にいたので、ロンドンっ子ほどは怖い思いはせずに過ごせて良かったと思います。
ロンドンは空襲もすごかったし、子供は日本のように疎開してました。

ダイムラーは、ジェレミーのおばさんたちが乗っていた車として覚えています。
ロイヤル・ファミリーが使った車としても有名ですが、「レベッカ」にも登場していたんですね!

次回更新も楽しみにしています♪


2010.03.25 | URL | りえ # [ 編集 ]
コメントありがとうございます♪
>RMさん
きゃー わくわくして読んでいただけて私も嬉しいです♪
何を調べたら時代がわかるのかなーと思い、浮かんだのがホームズの時代でした。
ホームズの時代は馬車、電報。『レベッカ』では自動車・電話。ということで「自動車や電話が広まったのはいつ頃か」を調べてみました。電話については、地方に普及した年代がはっきりしなくて断念しました(苦)が、自動車はなんとか調べる事が出来ました(^^;)
それから「ぶな屋敷」のヴァイオレット嬢が髪を切る・切らないで悩んでいたけど、『レベッカ』の「わたし」は最初からショートカットでしたので、髪型についても調べてみました。

私の想像推測も多分に含まれているので、話半分くらいに読んでいただければ幸いです(^^;)


>りえさん
このたびは、りえさんのブログを参考に記事を書かせていただきました。本当にありがとうございました。私は世界史に疎くて、イギリスのことも良く知らなかったのですが、イギリス近代史の知識を少し深めることができました。調べながらジェレミーの子供時代を重ね合わせては感慨に浸りました。
卒論より一生懸命かも知れません(爆)もうこれは、ジェレミー効果です♪

ロンドンの子供たちが疎開をしていたとは知りませんでした。地方に住んでいたジェレミーが空襲の爆音を強烈に覚えている以上に、ロンドンの子供たちは恐ろしく寂しい体験をしてしまったのですね…(;;)
ジェレミーのおばさんが乗っていた車も「ダイムラー」でしたね!わあ、『レベッカ』の世界とジェレミーの子供時代が繋がるなんてますます楽しくなってきました(喜)

亀更新ですがよろしくお願いします(><)
2010.03.29 | URL | # [ 編集 ]
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