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2009.12.12

感想/ドリアン・グレイの肖像

『ドリアン・グレイの肖像』、9章以降はドキドキハラハラしながら、あっという間に読んでしまった。


面白かったです。ひさびさにのめりこんで読んでしまいました。

遅くなりましたが以下感想を。 途中経過にも書いたので、重複になるけどまとめということで。


●まず気付いたこと

まず気づいたのが「ファーストネームで呼び合っていること」。
時代設定は大体ホームズと同じくらい。
この作品が出版されたのが1890年、「画家の序文」に1884年とあります。

ホームズでは「まだらの紐」が1883年頃、「赤毛連盟」が1890年頃。

「紳士同士がファーストネームで呼び合う事は女々しい」とされている時代のはずだったのでは。
しかも「ドリアン~」の舞台はロンドンですよ。


ファーストネームで呼び合っている事からして匂わせているって事か?


こんな事を考えつつ、読み始めました。
同性愛的な三角関係が描かれている作品なのかと思いながら読んでいくと、ちょっと違いました。



●ヘンリー卿

ヘンリー卿はドリアンを愛するというよりも、美しい若者をそそのかして堕落させる事の方に興味があるようでした。
快楽主義者ヘンリー卿は、怪しい輝き放ちすぎ&存在感ありすぎ。
逆説的な言葉で飾り立てられた事をずっと喋ってる。
ヘンリー卿は言葉と思想が「美(芸術)」のようでした。


●画家バジル

画家バジルにとってはドリアンが「美(芸術)」です。
ドリアンに出会ってから描いたバジルの作品はどれも素晴らしい出来栄えでした。
それは、ドリアンの中にある「美」にバジルがインスパイアされ、思いを絵に注ぎ込んだ事で生まれたものでした。
君がいないと絵が描けないとまで言います。
バジルはドリアンの中にある「美そのもの」を崇拝しています。崇め奉ってます。

ただ、バジルのドリアンへの接し方や告白っぷりはまんまだと思いました。
だって自分以外の人とドリアンが接するのを見て嫉妬するんだからね。
これは崇拝なのか、愛なのか、執着なのか。
うーん。はっきり書いてありませんので、どうなんでしょうね。

バジルが一番3人の中で同性愛的視点を持って描かれていると思います。
でも想いは純粋だと思います。


●ドリアン・グレイ
ドリアンは自分自身を「美(芸術)」の権化にしてしまいました。
ただし、「若さと美貌」という外見に関してのみ。
快楽主義に感化されて悪徳に手を染め、心は醜くなろうとも、美しいままの自分自身に陶酔します。
「心の美しさ」は眼中にありません。最後にちょっとだけ気づきましたけど・・・




●最も怖かったところ

私は、途中から読み進めるのが怖くなってきました。

ドリアンがどんどん悪い方へ変わっていくからです。
ドリアンはヘンリー卿の逆説的な言葉遊びと快楽主義に感化されていきます。
どこまでも欲望に忠実であろうとします。
人を傷つけ、自殺にまで追い込んでも何も感じないそのエゴイスティックな、「醜悪な心」。
絵は「醜く」「老い」ていきます。
なのに外見は「純真無垢」な頃の「美しく」、「若い」まま・・・なんという矛盾。



なにより怖いのは、ドリアンは「ある意味素直に他人の意見を受け入れている」こと。
他人の意見を素直に聞くことは大事なことですが、ヘンリー卿からの影響と、ヘンリー卿から教えられたことを
すんなり受け入れている。今を享楽的に生きよ!というヘンリー卿の教えに素直に従い、背徳の行為にも及んでしまう。

これは、ドリアンが考えて、判断したことなんだろうか。
ヘンリー卿が与えてくれた思考ルートに、のっかっているだけではないのか?


他人からの影響は、個人を良くも悪くも変えます。

他人からの影響をどう受け止めるかは自分次第。何も考えず、自分を律するものがなく、
享楽的に生きるその先にはたして幸せはあるのだろうか?



他人からの影響を自分で消化せず、そのまんま受け入れる事の危うさを
ドリアンが身をもって教えてくれたようで、そこが私には恐ろしく感じられました。


私も影響されやすい人間なので(苦)


作者はオスカー・ワイルド
自ら快楽主義と芸術至上主義を実践したワイルドが、快楽主義と芸術至上主義に飲みこまれた登場人物を破滅させた。
これは皮肉でしょうか。


ドリアンは快楽主義に感化され悪徳を繰り返した揚句、自責の念と焦りで破滅。
バジルも美を崇拝するあまり破滅。

ワイルドも男色罪で咎められ監獄送りになります、そして失意のうちに亡くなりました。


でも、ワイルドが生み出したヘンリー卿は残りました。
ヘンリー卿が発した、すなわちワイルドが発した数々の言葉は今も魅力的です。
おそらくこれからも魅力的な怪しい光を放ち続けるでしょうね。



なんかうまくまとまってしまったぞ・・・


さあて、DVD鑑賞しよーっと。どんな風に演出されてるんでしょうか。

そしてジェレミーはどんなバジルを演じているのでしょうか?

楽しみー
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